以下の表に今までに発表されたWiFi規格の全体像をまとめました:
世代 | WiFi標準 | 最大リンクレート (Mbit/s) | リリース | 周波数 (GHz) |
---|---|---|---|---|
Wi‑Fi 7 | 802.11be | 40,000 | まだ | 2.4/5/6 |
Wi‑Fi 6E | 802.11ax | 600から9,608 | 2020 | 2.4/5/6 |
Wi‑Fi 6 | 802.11ax | 600から9,608 | 2019 | 2.4/5 |
Wi‑Fi 5 | 802.11ac | 433から6,933 | 2014 | 5 |
Wi‑Fi 4 | 802.11n | 72から600 | 2008 | 2.4/5 |
Wi‑Fi 3 | 802.11g | 6から54 | 2003 | 2.4 |
Wi‑Fi 2 | 802.11a | 6から54 | 1999 | 5 |
Wi‑Fi 1 | 802.11b | 1から11 | 1999 | 2.4 |
Wi‑Fi 0 | 802.11 | 1から2 | 1997 | 2.4 |
WiFi6には、通常のWiFi6とWiFi 6Eのふたつがあるのが見受けられます。通常と6Eの違いは、6Eは6GHz周波帯に対応しており、通常版は2.4GHzと5GHzのみに対応しています。
WiFi6が登場するまでは、WiFi世代(WiFi6やWiFi5など)よりも、端末やソフトウェアのメーカーはWiFi規格の対応(802.11acや802.11g)での名称を使用していました。
WiFiの商標を所有する非営利法人WiFiアライアンスは消費者に技術の違いを端的に説明できるように、端末やソフトウェアの製造元に共通の情報を開示するよう推奨しています。
WiFiアライアンスの認証プロセスをクリアした端末は、「WiFi6承認済み」というラベルを貼ることができ、次章で紹介するようなWiFi6のメリットを提供できる信頼できる端末となります。
WiFi6そのものは基準に則った名称のみとなりますが、機能面では非常に多くの改善がなされユーザーの皆様へ非常に便利なものとなっています。それでは、WiFi6のテクノロジーの利点についてご紹介します。
WiFiの世代が更新されるたびに、転送スピードはどんどん改善してゆきます。WiFi6も例外ではありません。 WiFi 6のデータ上のスピードは10Gbpsとなっています。これは2.4GHzと5GHzのどちらの周波数の電波のスピードを向上し、MU-MIMOのテクノロジーがアップリンクとダウンリンクどちらのデータ転送に採用されています。
効率的なデータのエンコーディングはより良いスループットを実現します。同じ電波の波の中により多くの情報を転送することが強化されたチップの採用で可能となりました。WiFi6はWiFi5に比べ、デバイス1つにつき40%の速度改善を達成しています。2.4GHzネットワークをWiFi6ルーターでお試しいただくと、その違いを実感できるはずです。
WiFi6への移行による重要な改善事項として、バッテリーの寿命の向上も挙げられます。WiFi6の改善はIoT(Internet of Things)でのWiFi通信において電池の消耗を抑え、ユーザーの皆様により効果的にネットワークをお楽しみいただける使用に改善されました。
バッテリーの寿命はまたTWT(Target Wake Time)としても知られています。WTWはWiFiアクセスポイントでデバイス間の通信を行う際にWiFiの電波の起動と停止の時間を意図します。停止モードの時間の延長により、前世代のWiFiよりもより少ない電池の消耗を実現しました。
WiFiパフォーマンスへの悪影響の要素として、電波の混雑具合が挙げられます。WiFi6は数々の最新のテクノロジーを採用し、混雑した状況下でも問題を最小限に抑えたWiFiをご利用いただけます。
大幅な改善を達成したテクノロジーの要素のひとつに、OFDMA(Orhogonal Frequency Devision Multiple Access)が挙げられます。このテクノロジーの採用によりWiFiのチャンネルをサブチャンネルで細分化し、それぞれのデバイスに転送します。これにより複数のデバイスに継続して電波を転送することが可能となりました。
MIMO(Multiple In/Multiple Out)の改善もまたルーターの複数のアンテナでのデータの送信と受信を同時に可能としました。WiFi5では送信のみは可能でしたが、複数の電波の受信は同時にできませんでした。この改善により多くのユーザーが同一の電波を使用する際のパフォーマンスの向上を実現しました。
ビームフォーミングの改善もWiFi6スタンダードの改良点です。ビームフォーミングは電波をただ拡散させるのではなく、特定の方向に電波を飛ばす役割を果たします。デバイスに向けて電波を飛ばす際に使用します。
これらはWiFiの利用が混雑している娯楽施設やアリーナなどでWiFiの負担を軽減させます。ワイヤレスネットワークをご利用場所に関係なくご利用いただける改善となりました。
WiFi6の認証を受けている端末は必ず最新のワイヤレスネットワークセキュリティー規格であるWi-Fiプロトコルアクセス3 (WPA3)が採用されています。通信中の電波の傍受や盗難の危険などのWPA2規格の弱い部分を改善したものです。
WPA3はWPA2 の弱点を追求し、事前承認キー(PSK)をさらに強力な同一人物承認キー(SAE)に代替することでその弱点をカバーします。
SAEはAES-128 WiFi暗号化を採用したWPA3の個人承認方法として使用されいます。企業向けのWPA3では、192ビットWiFi暗号化を採用した複数拡張型承認プロトコル(EAP)を使用しています。
個人、企業向けのネットワーク以外にもWPA3はWi-Fiに特化した公共無線暗号化規格を用いた認証不要のデータ暗号化により空港などの公共のWiFiネットワークのセキュリティーも改善しました。
WiFi5ルーターをご使用中の多くの方が、WiFi6ルーターに切り替える努力と価格に見合う価値を手に入れられます。WiFi5とWiFi6の違いの大きさや、ふたつの異なる規格の比較は必見です:
WiFi 5 | WiFi 6 | |
---|---|---|
リリース | 2014 | 2019 |
周波数 (GHz) | 5 | 2.4/5 |
最大リンクレート (Mbit/s) | 433から6933 | 600から9608 |
WiFiセキュリティ | WPA, WPA2 | WPA, WPA2, WPA3 |
モジュレーション | 256-QAM | 1024-QAM |
MIMO | MU-MIMO(ダウンリンク) | MU-MIMO(双方向通信) |
レスポンスタイム | 長め | 短め |
電気使用量 | 高め | 低め |
ご覧の通り、WiFi6の記述は全てにおいてWiFi5を上回っています。新しいWiFi規格はさらに上を行くでしょう。特に、以下の3点は眼に見える改善が見られます:
WiFi6のルーターは現在では徐々にお手頃になってきているため、高額な買い物をせずとも最新の規格をお楽しみいただくことができます。
WiFi6はより早く、より効果的なWiFiパフォーマンスを発揮する魅力的な改善を成し遂げました。WiFi6は2019年に発表されましたが、デバイスがその改善点を全てフル活用できるまでにはもう少し時間がかかりそうです。WiFi6にアップグレードする際に考慮するべき点は以下となります。
ガジェットのアップデートが必要となります –WiFi6に対応した新しいルーターは確実に必要となります。スマートフォン、パソコン、スマートホーム端末など、WiFi6に対応している端末を複数持っている場合は、WiFiルーターをWiFi6対応に変更してその可能性を存分に利用することをお勧めします。WiFi6 対応端末を持っていない場合は、その恩恵が利用できるまで急ぐ必要はありません。
ワイヤレスデバイスの所持数 –ワイヤレスに対応した家電を多く持っている場合、WiFi6のアップグレードは大きなアドバンテージとなります。スマートホームテクノロジーを導入するご予定がある場合や、多くのデバイスを今後購入する予定の場合、WiFi6に対応したルーターの購入は良い投資と言えるでしょう。
お使いのWiFiネットワークのパフォーマンスに満足している場合は、WiFi6のすぐの導入は見送り、新しいルーターの購入はそのうち登場するWiFi 7を待つ手もあります。
電波のアップグレードをお考えの際は、まずはお使いのエリアでの現状のWiFiの状態を知ることです。NetSpotのようなWiFiアナライザーツールを使用すれば、WiFiネットワークの問題を見つけ出したり、新しいデバイスの効率的な導入を行えます。ご自身のワイヤレスネットワークの維持 に最適なツールです。
WiFi6対応への買い替えの検討におすすめな高品質なWiFi 6ルーターは以下となります:
ASUSのこのルーターには、802.11axとMU-MIMO、OFDMAテクノロジーの搭載が決定しています。LANケーブルが8ポート、アンテナが4つ搭載されており、ASUSのメッシュWiFiシステムにも互換しています。また、Aiプロテクション機能が法人向けレベルのセキュリティーの提供を可能としています。
TP-LinkのArcher AX6000もまたスピードと接続の改善のためにWiFi6を導入すると発表されています。OFDMAにも対応しており、混雑した場所でも快適にご利用いただけます。また、インテリジェントバンドが混雑していない周波数に自動に切り替えてくれます。 お子様への制限機能や、アンチウイルスプロテクションがルーター内に備わっており、ネットワークを守ります。
NetgearのNighthawk AX8もまたWiFi6のスタンダードに全て対応しており、4つまでの継続したWiFiストリーミングに対応しています。また、後退互換性も可能で、お使いのデバイスが最新でなくても簡単にご利用いただけます。 ルーターのパワフルな64ビットプロセッサー快適でスムーズなゲームのストリーミングを可能とします。
TP-Link Deco X20は安価な割には家中に最大1,800MbpsのサクサクのWiFiを届ける実力のある非常におすすめのWiFi6メッシュルーターです。ルーターには近年のサイバーセキュリティの脅威からゲームや在宅勤務を遅延度なく実現する対策をもつ機能が全て備わっています。
Netgear Orbi RBK752の大きなサイズと高額な価格が購入の対象外でなければ、驚くほど速いWiFiスピードを実現したWiFi6メッシュシステムと、たった2台で最大5,000平方フィートをカバーする能力の満足度は最大の魅力です。システムを拡張すればさらに広いエリアをカバーすることも可能です。付属のスマートフォンアプリを使えば、ユニットの追加や設定も簡単に行なえます。
Eero 6 Plusは最高のWiFi6メッシュシステムを搭載したひとつで、ThreadとZigbeeにも対応したスマートホームにもぴったりの製品です。製品の購入は高価ではありませんが、定額購読でしか利用できない機能もあるため、定期購読の費用が気になる場合は購入に向かないでしょう。
2019年のリリースより、WiFi6は瞬く間に広まり、様々な端末が標準対応を採用しています:
本記事を読みお気づきいただいたかもしれませんが、WiFi6(および6 GHz に対応したWiFi 6E)よりも新しいWiFi規格があります。WiFi 7またはIEEE 802.11とよばれ、EHT(超高速スループット)を実現しました。
WiFi7はまだリリースはされておらず、WiFi7リリース日の公表を待っている状態です。WiFi7は2.4GHz、5GHz、6GHzの周波帯に対応しており、ついに有線接続に匹敵する最大30Gbpsのスピードを実現しました。
WiFi 7で期待される大幅な性能向上は、非連続スペクトルの有効活用、MIMO(Multiple Input Multiple Output)プロトコルの強化、マルチアクセスポイント(AP)調整、4096-QAM、を含む数々の機能があげられます。
WiFi 6が登場し、無線接続への需要が高まるにつれ、その利点はますます重要なものとなっています。ワイヤレスネットワークの混雑やパフォーマンスの低下の問題を抱えている場合、WiFi 6への移行が最善の策になるかもしれません。
現在のWiFi状況に満足していても、将来的にはWiFi 6への移行を視野に入れた購入が必要です。購入した端末が新規格に対応しているかを確認し、賢明な設備投資を行ないましょう。
WiFi 6は、802.11ac規格の後継であるIEEE 802.11ax規格のマーケティング用の名称として使用されています。WiFi 6対応機器をいくつかお持ちの方は、同規格に対応したルーターの購入し、その機能を最大限に活かすことを強くおすすめします。
WiFi5ネットワークの6933Mbit/秒をはるかに超える、WiFi6は最大9608Mbit/秒のスループットが可能です。
確実に価値があります!予算が限られていたとしても、WiFi6対応のルーターから買えるものを選ぶのがよいでしょう。それだけでWiFi5のどのルーターよりも安全で高性能な買い物となります。
WiFi6メッシュシステムのおすすめ3選:
WiFi6ルーターのおすすめ3選:
端末がWiFi6に対応しているか調べるには、製品の公式ウェブサイトの製品情報をご参照ください。
WiFi 6Eはワイヤレスローカルネットワークの企画で、5Gは携帯電話のブロードバンドネットワークのため、リンゴとオレンジを比べるように、比較の対象にならない異なる規格となります。